愛知製鋼の営業秘密漏えいの初公判が先日行われました。
参考:http://www.nikkei.com/article/DGXLASFD29H3V_Z20C17A6CN8000/
この事件は、 愛知製鋼の元役員と元社員が愛知製鋼が開発した磁気センサに関する営業秘密を取得し、自信が独立して新たに作った会社で使用していたというものです。
http://www.sankei.com/west/news/170303/wst1703030061-n1.html
独立するときに所属していた会社の営業秘密を持ち出して使用することはよくあるようです。
民事訴訟でもこれを理由に訴えを起こしている会社は多々あります。
今回の初公判のニュースでちょっと気になったことがあります。
それは、上記リンクの日経ニュースに記載されている下記の内容です。
「菊池被告は逮捕当時、容疑を認める供述をしていたが、この日の公判では「捜査員から『愛知製鋼が営業秘密と言っている』と言われ、そうなのだろうという程度の認識だった」と話した。」
うーん、「そうなのだろうという程度の認識だった」との発言は苦し紛れなのか、本当にそう思っていたのかが気になります。
本当にそう思っていたのであれば、被告はそもそも「営業秘密」の漏えいが犯罪であることを明確に認識していなかった可能性があったのではないでしょうか?
もしそうであるならば、営業秘密の理解が浅かったために、起こした犯罪だったのかもしれません。
逆をいうと、営業秘密を理解、すなわち営業秘密の漏えいが犯罪であることを認識していれば、このようなことを起こしていなかった可能性があったのではないでしょうか。
もしそうであるばらば、認識不足による犯罪であり、愛知製鋼と共に被告にとっても非常に不幸なこととも考えられます。
愛知製鋼が営業秘密に関する社員教育等をどのようにしていたかは定かではありません。
今後、刑事訴訟の過程で営業秘密に対する秘密管理措置の内容が明らかにされれば分かるかもしれません(刑事訴訟の判決文では秘密管理性等の3要件について明確に記載されていないことがあるようです)。
もしかしたら、本事件、いや、多くの営業秘密漏えい事件は、社員教育を行い、営業秘密の漏えいが犯罪であることを認識させていれば起こらなかった犯罪だったのかもしれません。
このようなことから、営業秘密に関する社員教育は非常に重要であると私は思います。
知財活動としては特許出願等の権利化のみではなく技術の営業秘密化(秘匿化)も意識しなければなりません。 このブログでは営業秘密を理解するために、民事事件の裁判例や刑事事件等を中心に情報発信を行っています。
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