営業秘密関連ニュース

2020年3月27日
・日本ペイント元役員に有罪判決 情報漏えい事件 名古屋地裁(毎日新聞)
・製造情報漏えい、懲役2年6月 日本ペイント元幹部―名古屋地裁(JIJI.COM)
・菊水化学元常務に有罪判決 塗料データ漏洩事件で名古屋地裁 (日本経済新聞)

2020年3月23日
・<韓国><米国>米ITC「SKイノ、バッテリー訴訟で故意的証拠隠滅、法廷冒とく」(中央日報)

2020年3月23日
・<米国>グーグルの元エンジニア、自動運転技術を盗んだ罪を認める(CNET Japan)

2020年3月16日
・N国・立花党首「罪を償う覚悟できている」 警察の任意聴取で(産経新聞)
・N国・立花党首が記者会見 「罪の償いはしたい」(TBS NEWS)

2020年3月15日
・N国・立花党首、反省動画を投稿 「償うべき罪を償う」(毎日新聞)
・N国・立花党首から聴取 NHK契約者情報など不正取得の疑い 事務所も捜索(毎日新聞)
・警視庁、N国党首を任意聴取 NHK徴収員の情報暴露と脅迫疑い(産経新聞)
・N国関係先を家宅捜索 NHK契約情報、不正取得か―立花党首の任意聴取も・警視庁(JIJI.COM)

2020年3月5日
・顧客情報を漏えいか…百十四銀行の元行員3人を逮捕 1900万円の詐欺事件への使用も 香川(瀬戸内海放送)
・元百十四銀行行員ら3人を逮捕 香川県警、顧客情報漏えい疑い(日本経済新聞)
・顧客情報漏えい容疑で元百十四銀行行員逮捕(共同通信)

2020年3月2日
・【アメリカを読む】米当局、ファーウェイに“犯罪集団”の烙印 異例追起訴に徹底抗戦、弁護団に大物ヤメ検も(産経新聞)

2020年2月27日
・パチンコ出玉情報を客に教える 元店長に罰金50万円(日テレNEWS24)
・パチンコ出玉情報を客に教える 元店長に罰金50万円(北日本放送)

2018年6月25日月曜日

愛知製鋼営業秘密流出事件に関する興味深い記事、それと秘匿化から特許出願について

愛知製鋼の営業秘密流出事件に関して、東洋経済オンラインの興味深い記事を見つけました。
この事件は、愛知製鋼の元役員(本蔵氏)と元社員が愛知製鋼が開発した磁気センサに関する営業秘密を取得し、自身が独立して新たに作った会社で使用した事件であり、愛知製鋼から刑事告訴されています。そして、2017年6月19日に初公判が行われたものの、続報が無いため、私もその後どうなっていたのかが気になっていた事件ですが、今のところ進展は無いようですね。

東洋経済オンライン:愛知製鋼、進まない「スパイ容疑裁判」の不毛
参考:過去の営業秘密流出事件

詳細は、東洋経済オンラインの記事を読んでいただくとわかりますが、私がこの事件に関して気になった点を挙げます。

東洋経済オンラインの記事を引用すると「ただし当初、一昨年8月に告訴した6件については名古屋地方検察庁が不起訴とし、昨年2月に追加で告訴された1件についてのみ、愛知県警察が逮捕容疑としている。」、「ところが、本蔵氏は「『MIセンサ』ではなく、後に『GSRセンサ』につながるまったく新しいものを開発するために、まだ私の頭の中にあった製造プロセスを説明しただけだ。『ワイヤを張る』『整列させる』『切る』といった一般的な動作のことで、すでに国際会議での発表や大学との共同事業の報告書でも公に知られている」と反論。弁護側も「検察側が何を機密情報としているのかわからない」と疑問を呈した。」とあります。

このように、本事件では、流出した営業秘密と主張する情報の特定を愛知製鋼側(検察)が十分行えていない可能性もあります。営業秘密に関する民事訴訟ではよくあるパターンですね。
そもそも、先に刑事告訴した6件については不起訴であり、新たに追加で告訴された1件が逮捕容疑であるならば、素人目に見ても刑事告訴の妥当性について疑問が生じます。
また、被告である本蔵氏が上記下線で述べているように、愛知製鋼が営業秘密と主張する内容はそもそも本蔵氏に帰属する技術情報であり、愛知製鋼の保有するものではないのかもしれません。
そうすると、本事件の刑事告訴はそもそも無理筋でだったのではないかと・・・。


しかしながら、MIセンサ(磁気センサ)の開発におけるコア人物である本蔵氏が退職するにあたって、愛知製鋼は他に打つ手は無かったのでしょうか?

私は、本蔵氏が愛知製鋼を退職することが判明した時点で、愛知製鋼が営業秘密であると主張する技術を特許出願するべきだったと考えます。特許出願によって当該技術は公知となりますが、本蔵氏の退職によっても当該技術が公知となることが確定的であるならば、同じことです。
これにより、愛知製鋼の当該技術が他者によって実施された場合に、特許権侵害を主張できる可能性があります。

営業秘密とした技術は、営業秘密のままとする必要はありません。本事件のように当該技術の核となる従業員等が退職した場合には、当該従業員を介して当該技術が流出(公知化)する可能性があります。そして、転職先等で当該技術を開示や使用しても、その立証はかなり難しいと思います。そうであるならば、当該技術を営業秘密とし続けるメリットよりも特許出願により特許権を得ることの方がメリットが大きいとも考えられます。

当該技術を特許出願して特許権を取得すると、元従業員が転職先で当該技術を使用して製品を製造等した場合に、特許権侵害の責を負わせることが可能となります。同じ技術であっても、直感的には、営業秘密の不正使用(民事又は刑事)で勝訴するよりも、特許権侵害(民事)で勝訴する方が可能性が高いように思えます。
営業秘密については、秘密管理性、有用性、非公知性の三要件を満たし、かつ、被告がそれを不正開示や不正使用を行ったことを原告側が立証することは難しいと思われるためです。特許に関しては、特許権を取得すること自体にハードルがありますが。

このように、企業は技術情報を管理する場合、特許出願と秘匿化を同列に考え、公知化や他者による実施等のリスク、また、訴訟の可能性等を考え、柔軟に対応するべきかと思います。

弁理士による営業秘密関連情報の発信