2017年10月11日水曜日

役員による営業秘密の漏洩

過去の営業秘密流出事件で挙げている「愛知製鋼情報流出事件」や「日本ペイントデータ流出事件」のように、元役員が転職先で前職の営業秘密を開示・使用することは少なからずあります。
また、転職先だけでなく、元役員が前職を退職して独立して自身の会社を起こし、その会社で前職の営業秘密を開示・使用することもあります。
役員であれば、営業秘密へのアクセス権も持っている場合が多いでしょうし、その営業秘密の重要性・有用性も十分に理解できているでしょう。

ここで、私は、営業秘密の漏えいに対して刑事罰があり、実際に実刑判決まで出ていることを従業員に理解してもらう社員教育を行うことで、従業員による営業秘密の漏えいの多くは防ぐことができると考えています。当然、100%はありえませんが。

営業秘密を不正に漏えいさせた人は、基本的に悪人ではないと思ってます。
その人達は、何時も隣で仕事をしていた同僚、部下、又は上司でしょうから。
しかし、不競法の理解が出来ていなかったために、転職時に安易に営業秘密を持ち出して逮捕されているのではないでしょうか?
そういった人に対しては、正し知識を得てもらうことで、営業秘密の漏えいは防げていたのではないかと思います。営業秘密の持ち出しに対するリターンよりもリスクが高いですからね。

さらに、従業員に対しては、就業規則で秘密情報(営業秘密)を漏えいした場合には退職金の返還等の罰則規定を設けることで、さらに抑止効果は高まるでしょう。



では、役員に対しては?
当然、営業秘密に関する社員教育は、役員に対してもおこなうべきです。
たとえ、役員であっても、営業秘密の漏えいは犯罪であることを認識してもらう必要があります。特に、役員は営業秘密に触れる可能性が一般の従業員よりも高いでしょうから。

しかし、就業規則は、役員には適用されません。
就業規則は労働者に適用されるものです。
そこで、役員用の就業規則があれば、それに秘密情報を漏えいさせた場合の罰則規定を設けることが考えられます。

また、今後、営業秘密の漏えいへの対応を整備したいのであれば、秘密情報管理規定を作成することも考えられるでしょう。
秘密秘密管理規定では、社内における秘密情報の取扱いに対する規定を定めます。

この秘密情報管理規定に、秘密情報を漏えいした場合に対する罰則も定めます。
そして、その対象を従業員及び役員とします。

このように、営業秘密の漏えいを防止するために、従業員だけでなく、役員に対する縛りも策定する必要があると考えます。