営業秘密関連ニュース

2018年6月21日
・テスラ、ギガファクトリーの元従業員を提訴-機密情報窃取で (Bloomberg)
・Tesla's Alleged Saboteur Sued by Carmaker Over Data Theft (Bloomberg)
・米テスラ、ギガファクトリーの元従業員を提訴 機密情報窃取で(日刊工業新聞)

2018年6月21日
・ベネッセ情報流出での「実害なし」慰謝料認めず (YOMIURI ONLINE)
・ベネッセ側の賠償責任を否定 情報流出訴訟で地裁判決(朝日新聞)
・個人情報流出「慰謝料生じず」 ベネッセ事件で東京地裁、賠償請求退ける(日経新聞)
・個人情報流出「実害なし」=ベネッセ集団訴訟で初判決-東京地裁(JIJI.COM)


2018年6月15日
・日産の新車発表前に写真投稿 取引先元社員を書類送検 神奈川県警、営業秘密侵害・業務妨害疑い (日経新聞)
・発表前リーフ、ツイッターに=取引先元社員を書類送検-神奈川県警 (JIJI.com)
・ツイッターに発表前の新車の写真投稿 警察が書類送検へ (NHK)
・日産新型車を発表前にツイート 県警、元社員を書類送検 (カナロコ)

2018年6月4日
・健康食品通販サイトにおけるお客さま情報の流出に関するお詫びと調査結果のお知らせ(リリース森永乳業)
・森永乳業 情報流出のカード不正使用被害は約300件で2000万円 (産経ニュース)
・森永乳、個人情報流出は最大9.3万人 通販サイト、調査結果発表(日経新聞)
・通販サイトでカード情報流出 被害2000万円(毎日新聞)

2018年4月2日月曜日

技術情報や顧客情報等の情報漏えいに関する保険

世の中、色々な保険がありますね。
グーグルやヤフーで「営業秘密」で検索しているせいでしょうが、ブラウザに営業秘密に関する広告が表示されることがあります。
昨今、顧客情報等の漏えいは当たり前のように起こっていますから、このような保険もあって当然かと思います。

その保険は三井住友海上の「サイバープロテクター」というものです。
なお、このブログで当該保険をお勧めするわけではありません。
この保険の特徴には「外部起因・内部起因の事故を幅広くカバー サイバー攻撃のほか、使用人の犯罪リスクまでカバーします。」とあります。
さらに、代理店のホームページを見ると「個人情報のみならず、企業秘密となっている生産方法等、公然と知られていない特定の事業者に関する情報の漏えいも対象となります。」ともあり、技術情報が漏えいした場合も保険の対象になるようですね。

保険料例」を見ると、損害賠償等の支払限度額が高いのか安いのか、これで十分なのかよく分かりません。損害額はケースバイケースでしょうから、何とも判断付きかねますよね。ちなみに、ベネッセの事件では顧客への補償だけで200億円を要したようです。ところで、三井住友海上も過去に顧客情報の漏えいがあったようです。

気になることは、この保険は情報漏えいの”被害企業”に対応したものであること。情報漏えいの“加害企業”に対応したものではないことです。

情報漏えいについては、転職者が前職企業の営業秘密を持ち出し、転職先企業で使用することが十分に考えられます。転職先企業において、転職者に対して前職企業の営業秘密等の使用を禁ずる教育を行ったとしても、転職者によっては成果を早く出すために前職企業の営業秘密を持ち出して使用する人も居るかもしれません。
その結果、転職者を受け入れた自社が前職企業に訴えられる可能性もあります。もし、転職者が持ち込んだ営業秘密を自社の製品に使用した場合には、当該製品の製造販売を停止する事態に陥る可能性もあります。
このように、意図せずに加害企業となっています可能性もあるため、”加害企業”を救済する保険があってもよいかと思いますが、今のところ需要が無いのでしょうね。


また、特許関係でも既に保険が販売されています。
例えば特許庁のホームページでは「海外知財訴訟費用保険 加入受付中!」と題して情報提供を行っています。
これは海外での知財訴訟リスクに対応したもののようですが、少し調べると国内の知財訴訟リスクに対応した保険である「国内知財訴訟費用保険」を損保ジャパン日本興亜で販売しています。

ここで、これらの知財訴訟リスクの保険は、上記情報漏えいの保険との大きな相違点があります。知財訴訟リスクの保険は、侵害者側、すなわち“加害企業”に対応したものであるということです。

面白いですね。
特許も営業秘密も共には知的財産のはずですが、一方は被害企業を救済するための保険、他方は加害企業を救済するための保険、救済される立場が逆です。

まあ、顧客情報等に関しては不正アクセス等による漏えいが多いため、“被害”に合う場合が想定し易いためかとも思われますが、上述のようにリスクという点では自社に営業秘密が流入して“加害企業”となるリスクもあります。特に技術情報に関しては、転職者からの流入だけでなく取引先からの開示もあります。取引先から開示された営業秘密は、自社で自由に使ってよいものではなく、不正に使用するとその責任を問われます。

しかしながら、営業秘密の流入リスクに関する認識は企業に十分浸透していないようです。その証拠に「営業秘密 流入」でネット検索をすると、このブログの記事がトップに現れます。このブログのアクセス数を考えると、如何に営業秘密の流入リスクの認識が薄いかを想像できます。

他方で、特許に関しては他社の特許権を侵害するリスクが説明するまでもなく広く認識されています。であるからこそ、上述のような保険に対するニーズが存在します。もし、営業秘密の流入に関する保険が販売されるようになれば、営業秘密の流入リスクが企業に深く浸透したことの証となるのではないでしょうか。