2018年1月22日月曜日

ブログ記事100件記念

このブログ記事でちょうど100件目です。
だからというわけではありませんが、今まで無かったブログのプロフィールに私の似顔絵の画像を追加しました。

もともとは、私が所属する弁理士同友会の公報に載せるためのイラストなのですが、本ブログにも使用してい良いとの許諾を頂けたので、ブログ記事100件目のタイミングで使わせた頂きます。

イラストの作成は、株式会社クリオの松本直子弁理士によるものです。
大変ありがとうございます。


今回で100件目の記事になりますが、定期的にブログを更新し続けて良かったことの第一としては自分の勉強になることですね。
営業秘密について何かをしようと思っても、日々の業務がありますので思っているだけでは何も進みませんし、営業秘密について自分の考えを文章にすることで、さらに考えも深まります。
営業秘密は色々な点で議論すべきことがあるかと思いますが、未だ十分に議論がされているとは言い難いです。判例も多くありませんので当然かと思います。
また、このためか裁判所の判断についてもその妥当性に疑問を感じることがあります。

一方で、企業は情報を積極的に秘匿化していますし、増々その傾向は高まるかと思います。そして、秘匿化した情報が漏えいすると、その被害額が高額になる場合もあります。
特に技術情報に関しては、特許出願件数が減少傾向にあるということは、必然的に秘匿化される情報も多くなっていると思われます。

このため、秘匿化している技術情報が真に営業秘密となり得るものなのかを企業は検討することの必要性が高まるのではないでしょうか?
具体的には、営業秘密の有用性については、格段の作用効果の有無について、また、非公知性についてはリバースエンジニアリングとの関係についてが議論となるかと思います。
さらに、今後は、営業秘密の帰属についても議論になるかもしれません。

そして、営業秘密となり得る要件を正しく理解することで、営業秘密として管理するべき情報もより精査されるでしょう。
そのためにも、営業秘密に関する研究、主に判例研究となるかと思いますが、それが必要になり、誰かがやらないといけないことかと思います。


2018年1月19日金曜日

営業秘密の非公知性と特許の新規性との違い

営業秘密の3要件のうちの一つである非公知性、これは秘密管理性と比べてもあまり議論がなされていないかと思います。
特に、営業秘密が経営情報である場合、例えば顧客情報等は議論するまでもなく非公知性の要件を満たす可能性が高いからでしょう。

一方、営業秘密が技術情報の場合はどうでしょうか?
特許公報やその他の文献等で様々な技術情報が公知となっており、企業が秘密管理している技術情報であっても非公知性を満たさない可能性が有ります。
特に、秘密管理している技術情報が、上位概念のものである場合にはなおさらです。

ここで、営業秘密管理指針における非公知性の説明を紹介します。
営業秘密管理指針では「「非公知性」が認められるためには、一般的には知られておらず、又は容易に知ることができないことが必要である。 」とされています。

また、営業秘密管理指針では、特許の新規性との違いとして「営業秘密における非公知性要件は、発明の新規性の判断における「公然知られた発明」(特許法第29条)の解釈と一致するわけではない。特許法 の解釈では、特定の者しか当該情報を知らない場合であっても当該者に守秘義務がない場合は特許法上の公知となりうるが、営業秘密における非公 知性では、特定の者が事実上秘密を維持していれば、なお非公知と考える ことができる場合がある。」としています。

さらに、営業秘密管理指針では「当該情報が実は外国の刊行物に過去に記載されていたような状況 であっても、当該情報の管理地においてその事実が知られておらず、その 取得に時間的・資金的に相当のコストを要する場合には、非公知性はなお認められうる。」とも記載されています。

以上のように営業秘密管理指針の記載からは、営業秘密の非公知性は特許の新規性に比べて判断要件が若干緩いとも考えられます。

しかしながら、営業秘密の非公知性と特許の新規性とにおいて根本的な違いがあります。
それは、その判断基準時です。

特許の新規性は特許法第29条第1項第1号にあるように「特許出願時」が新規性の判断基準時になります。すなわち、特許出願後に公知となった情報に基づいて、特許出願に係る発明が拒絶されることはありません。

では、営業秘密の非公知性に関してはどうでしょうか?
営業秘密の3要件は、不正競争防止法第2条第6項に規定されていますが、その判断基準時は特に定められておりません。
では、非公知性の判断基準時は何時なのでしょうか?
当該情報の秘密管理を開始した時でしょうか。

ここで、経済産業省知的財産政策室 編著「逐条解説 不正競争防止法 平成15年改訂版」の31ページには、「「公然と知られていない」状態の判断時点は、損害賠償請求については、不正行為が行われた時点である。しかし、差止請求については、・・・口頭弁論終結時に非公知性が失われていれば認められない」との記載があります。
すなわち、営業秘密の非公知性の判断基準時は、当該情報の秘密管理を開始した時ではなく、秘密管理を開始した後でも当該情報と同じ情報が公になれば、当該情報は非公知性を失うことになります。これは、特許の新規性とは全く異なる判断基準です。
このことは、特許を主として業務を行っている方は気を付ける必要があるかと思います。


具体的には何に気を付けるか、ということですが、特に自社製品です。
すなわち、過去のブログでも記載していますが、自社製品をリバースエンジニアリングすることで当該情報を取得可能な場合には、非公知性が失われることになります。

過去のブログ記事
営業秘密の3要件 非公知性 -リバースエンジニアリング-
営業秘密の3要件 非公知性 -リバースエンジニアリング- その2

ここで、リバースエンジニアリングが可能なものであれば、どのような製品でも非公知性が失われるわけではなく、「一般的な技術的手段を用いれば容易に製品自体から得られるような情報」は非公知性を失った情報であるようです。

例えば、機械構造等がそれにあたるかと思います。

このリバースエンジニアリングによって非公知性を失う可能性を考えると、そもそも営業秘密として管理することに適さない技術情報が存在することになります。

すなわち、自社製品を販売することによって得られる上述のような「一般的な技術的手段を用いれば容易に製品自体から得られるような情報」は営業秘密として管理しても、リバースエンジニアリングによって非公知性を失っていると裁判で判断される可能性があります。
現代では、例えば3Dスキャンが可能となり、また様々な分析手法が広く行われています。このため、自社の技術情報を営業秘密として管理するのであれば、自社製品が販売されることによって当該技術情報の非公知性が失われる可能性について検討する必要があります。

すなわち、自社製品のリバースエンジニアリングによって非公知性が失われる技術情報に関しては、特許権や意匠権等の取得を検討するべきでしょう。また、そのような権利取得が難しい技術であるならば、製品のブランド力をより向上させる等の知財戦略を行ってもよいかと思います。

このように、開発した技術について、公開されることを理由に特許出願を行わないとの判断を行ったとしても、自社製品のリバースエンジニアリングによって非公知性を失うようであれば、特許出願等の他の知財戦略を練る判断があって然るべきだと考えます。


2018年1月17日水曜日

営業秘密関連ニュース一覧のページを追加


営業秘密関連ニュース」というページを作成・追加しました。
営業秘密に関連するニュースを見つけるたびに更新している本ブログのトップページの「営業秘密関連ニュース」から削除した過去のニュースの一覧です。

去年の10月からのニュースなので、数は多くないものの、営業秘密に関連すると思われるニュースを見つけるたびに増えるはずです。
単にニュース報道の見出しに、当該サイトをリンクしているだけのものですが、年月を経てニュースの数が増えてくれば、営業秘密に関連して過去にどのような頻度でどのような事件が起きたかを把握できるかもしれません。
古い記事になるとリンク先が削除されているかもしれませんが、見出しだけでもニュースを把握できるかと思います。
そして、話題性の高そうな事件が「過去の営業秘密流出事件」に昇格するかと思います。

ちなみに、リンクしているニュースは、私がキーワード検索により見つけて、営業秘密に関連していると思われるものを任意にピックアップしているものです。
また、このニュースは、事件だけでなく、行政の動向などもピックアップしていくので、

営業秘密関連ニュースを記録し続けることで、営業秘密に関する社会全体の変化が見えるかもしれません。


2018年1月15日月曜日

産業ソーシャルワーカーと営業秘密

先日、知人の誘いで産業ソーシャルワーカー協会の公開講座に行きました。
はじめは、弁理士という仕事とは関係なさそうだけど、何かの知見が得られるかもしれないという程度の気持ちでした。

しかし、営業秘密と絡めると、産業ソーシャルワーカーは営業秘密(企業秘密)の漏えい防止の一助になるかもしれないと思いました。

私は産業ソーシャルワーカーの仕事を十分に理解しているわけではありませんが、産業ソーシャルワーカー協会ホームページの「産業ソーシャルワーカーとは」を参照すると以下のようなお仕事の様です。
「産業ソーシャルワーカーとは、働く個人が抱える問題に向き合い、さまざまな関係者と連携しながら、解決のための行動の第1歩を踏み出すまで伴走する相談の専門家です。働く人々のワークライフに貢献し、企業の生産性向上にも寄与するもので、企業に所属するか、もしくは契約を結ぶ形で、個人の相談にあたります。」

そして、上記ホームページには「働く個人に対する価値」の一つとして「・ワークライフに関わる様々な問題を解決しストレスを軽減させる」が挙げられ、「企業に対する価値」の一つとして「・事件や事故の予防」が挙げられています。

ここで、「組織における内部不正防止ガイドライン」を参照すると、企業秘密の漏洩は主に内部不正によるものです。
そして本ガイドラインには、「内部不正防止の基本原則」として以下のことが記載されています。
・犯行を難しくする(やりにくくする): 対策を強化することで犯罪行為を難しくする
・捕まるリスクを高める(やると見つかる): 管理や監視を強化することで捕まるリスクを高める
・犯行の見返りを減らす(割に合わない): 標的を隠したり、排除したり、利益を得にくくすることで犯行を防ぐ
・犯行の誘因を減らす(その気にさせない): 犯罪を行う気持ちにさせないことで犯行を抑止する
・犯罪の弁明をさせない(言い訳させない): 犯行者による自らの行為の正当化理由を排除する

そして、上記「・犯行の要因を減らす」ことの対策として「欲求不満やストレスを減らす 公正な人事評価、適正な労働環境、円滑なコミュニケーショ ンの推進 」というものがあります。また、営業秘密を漏えいさせる理由として、他者からの要求や売却目的もあります。このため、犯行の要因となり得るものは、個人的な悩み、特に人間関係や、金銭問題も含まれるのではないでしょうか?

であるならば、産業ソーシャルワーカーの働きによって、企業秘密の漏洩という事件を減らすことに繋がるのではないのでしょうか?


ここで、営業秘密の漏えいに関して信用銀行顧客情報流出事件があります。この事件は、ほとんど知られた事件ではないと思いますが、この事件は、刑事事件にもなっており、一審(名古屋地裁平成28年7月19日)で懲役1年6月及び罰金150万円とされた事件です。一審で執行猶予が付いていないことに驚きですが、二審(名古屋高裁平成28年12月12日)では懲役2年及び罰金150万円、執行猶予4年となっています。
この事件は、一審の判決文を参照すると、被告人であるパート従業員Cが「情交関係にあったGの心を繋ぎ止めたい、あるいは将来への金銭上の漠然とした不安から報酬も得たいと考え、Gの求めに応じ、2回にわたり、D信用金庫の営業秘密となる顧客情報を領得してGに開示したものである。」というものです。そして、どうもこのパート従業員Cには子供が居たようです。

思うに、ここでD信用金庫に産業ソーシャルワーカーが居て、パート従業員Cが犯行の前にこの産業ソーシャルワーカーにプライベートな相談もしていたらどうだったでしょう?私が参加した公開講座での説明では、産業ソーシャルワーカーは、社内における従業員の相談だけでなく、金銭問題や家族のこと等プライベートな問題を相談できる人が居ない従業員の相談に乗り、解決策を一緒に考えるとのことでした。

そして、パート従業員CがGから顧客情報の持ち出しを要求されているとの相談を産業ソーシャルワーカーにできていたら?さらに、産業ソーシャルワーカーが「顧客情報等の企業秘密の漏えいは不正競争防止法によって犯罪であることが明確に規定されているので、そのようなことを行ってはいけない」とのアドバイスができていたら?
もし、パート従業員Cが、顧客情報の持ち出しが漠然と悪い事だと思っていても、そのようなこと会社に他の従業員に相談できるわけがありません。しかしながら、守秘義務を有している産業ソーシャルワーカーが居たならば、相談できたかもしれません。

また、ベネッセ顧客情報流出事件でも、東京地裁平成28年3月29日判決文を参照すると「被告人は,妻の出産に関する高額の医療費等の支払に窮し,その支払に充てる金を工面するために本件各犯行に及んだ旨述べる。」とあります。この被告人(犯人)の供述が事実であり、もし、産業ソーシャルワーカが犯人の悩みの相談を受けていれば、もしかしたら、このような重大な犯罪を未然に防止できていたかもしれません。
ちなみに、ベネッセはこの事件の被害者でありながら、個人情報を流出させた企業でもあるため、本犯行の対策費として200億円もの金額を計上しています。また、犯人は、執行猶予無しの懲役2年6か月及び罰金300万円の刑となっています。

また、佐賀銀行営業秘密流出事件でも、福岡地裁平成29年10月16日判決文を参照すると被告人は,多額の借金をしていた共犯者Cから脅されるなどしてやむを得ず犯行に関与した」とあります。この事件も犯人のプライベートな金銭問題から端を発し、他者からの要求により、営業秘密を漏えいさせて自身が犯罪者となってしまったようです。

個人的な問題、特に金銭的な問題や家族の問題は社内の人間に相談し難い事、できない事です。しかも、信用金庫顧客情報流出事件や佐賀銀行営業秘密流出事件では、他者からの要求により顧客情報を漏えいさせています。このようなことは、会社の人間、同僚や上司等には絶対に相談できるものではありません。誰に相談していいかもわかりません。そして、誰にも相談できないまま、相手の要求に応じるまま営業秘密を漏えいさせた結果、犯罪者になってしまったのかもしれません。

さらに思うに、営業秘密を漏えいさせた人たちは、犯罪性志向の高い人ではなく、我々と同じような普通の人だと思います。いや、営業秘密を流出させる人は会社に普通に勤めている普通の人達がほとんどだと思います。
そして、このような人たちの相談に乗れる立場となれる人々は産業ソーシャルワーカーではないかと思いました。

このように、産業ソーシャルワーカーが営業秘密に関する知識を少し持っているだけで、もしかすると、企業秘密の漏えいという重大な事態を未然に防ぐことができるかもしれないと考えます。

また、産業ソーシャルワーカーが必要とする営業秘密に関する知識も必要最小限で良いと思います。企業秘密を漏えいさせると、不正競争防止法の適用を受け、懲役10年以下、罰金2000万円の刑事罰を受ける可能性があり、実際に実刑を受けている人もいること、例えば、ベネッセ事件がその典型である事、この程度の知識で十分かと思います。

さらに、匿名での相談も受け付ける活動もされているとのお話でした。そうであるならば、顧客情報の持ち出しを要求されている、とのような相談も産業ソーシャルワーカに行い易い環境が作れるのではないでしょうか?

そして、このようなに産業ソーシャルワーカーが企業秘密の漏えい防止に対策になり得ることは、産業ソーシャルワーカーを導入する企業にとってもメリットの大きい事ではないかと思います。
さらに、もし、そのような相談が産業ソーシャルワーカーが受け付けた場合、守秘義務を超えない範囲で、その事実を企業にフィードバックすることで、企業は企業秘密の漏えいが起きた可能性を知り得、企業秘密の漏えい対策に役立てることができるかもしれません。

営業秘密(企業秘密)は漏えいすると、その事実を消すことはできません。たとえ犯人を捕まえたとしても、漏洩した営業秘密が点々流通する可能性もあります。
このため、当たり前ですが営業秘密は漏えいさせないことが一番です。そのための対策として、産業ソーシャルワーカーも一翼を担えるのではないかと感じましたし、営業秘密漏えいの防止という観点からも産業ソーシャルワーカーの活動に期待したいです。

2018年1月12日金曜日

営業秘密の有用性判断の分類

営業秘密の有用性に関する論文として「「営業秘密」と「業務上の有用情報」に係る法的課題 」があり、裁判所における有用性判断に関して細分化してまとめられており、非常に参考になります。

本論文では、裁判所における有用性判断に関して下記のように分類分けが行われています。このような分類分けを行うことは、有用性に対する司法判断の適否や傾向を調べるうえで今後の指針の一つとなり得ると思います。

①裁判所において有用性が認められた事案
肯定第一類型(競業者に対する優位性):事業者が努力して独自に当該情報を開発して保有するのは、独自開発による情報を営業秘密とすることで競業者に対する優位性を維持するためである。
肯定第二類型(侵害者にとっての利点):営業秘密を侵害した者(被告)にとって何らかの利点がある情報だから 保有者(原告)にとっても有用性がある。
肯定第三類型(経済的観点):当該情報による利益という経済的観点から有用性を認める。
肯定第四類型:漠然と有用性について判断するもの。

②裁判所において有用性が否定された事案
否定第一類型(反社会的情報等):当該情報が反社会的あるいは公序良俗に反する情報であるため、法の保護に値する有用性が認められない。
否定第二類型(情報の保有者側の主張不備):原告側の主張する営業秘密が存在しない、あるいは営業秘密についての説明が不十分・不明確であるために要件判断ができずに、否定される。
否定第三類型(入手可能情報):原告だけの情報ではなく第三者も入手し得るから情報に有用性を認めることはできない。


すなわち、有用性に対して、上記否定第一類型から否定第三類型の何れにも属さないとの判断がなされた場合には、必然的に「有用性がある」との判断がなされるかと思います。
換言すると、上記否定第一類型から否定第三類型は、特許の審査でいうところの拒絶理由にあたるとも考えられます。

さらに、私が注目したいものは否定第二類型と否定第三類型です。

まず、否定第三類型は非公知性を満たさないことと同義であるとも考えられます。なお、否定第三類型における括弧書き(入手可能情報)は本論文に記載はなく私が付けました。
また、同じ判決であっても、否定第二類型又は否定第三類型の何れに該当するかは人により意見が分かれるかもしれません。

また、否定第二類型には、発熱体セメント事件(大阪地判平成20年11月4日)のように「予想外の特別に優れた作用効果もない」とのように判断されたものも含んでいます。
この様な判断は、特許における進歩性の判断に類する判断と同様とも思われ、営業秘密の有用性判断の妥当性に私個人としては疑義があります(小野昌延, 松村信夫 著,新・不正競争防止法概説〔第2版〕(2015),青林書院でも、本判例を挙げたうえで「ただ、このような情報まで有用性がないとして営業秘密として保護を否定してよいかは問題である。」と述べています。)。

そこで、否定第二類型の派生として、上記類型に加えて新たに「予想外に優れた作用効果無し」として有用性を否定した裁判所の判断を否定第四類型として加えることを提案できるかと思います。

この否定第四類型に該当するとし、裁判所において有用性が認められなかった情報は既に幾つかあります。否定第四類型に該当する司法判断をピックアップし、その傾向や適否を検証することは面白いと思います。