研修会の予定

<オンライン開催 10月9日>大阪発明協会 技術情報を営業秘密として守るための実務と事例研究 (参加申し込み受付中)

2020年3月26日木曜日

知財管理誌に掲載された寄稿文のpdfデータ

先月の知財管理誌に寄稿した「技術情報が有する効果に基づく裁判所の営業秘密性判断」のpdfデータへのリンクを設定しました。
知財管理誌のpdfデータは、知財協の会員の方しかホームページから見ることはできませんが、知財協の会員以外の方で興味がある方は上記リンクからアクセスしてください。

この寄稿文では、従来技術に対して優れた効果等を有しない技術情報は、営業秘密としての有用性(又は非公知性)を有しない場合について述べています。
実際、このような裁判例が散見されるためにこの寄稿文を書いたのですが、個人的にはこのような裁判所の判断には疑問を感じています。

企業から情報が不法に持ち出された場合には、その営業秘密性は非公知性を重視すべきであって、有用性や秘密管理性は厳密に判断するべきではないと私は思います。
企業から情報が不法に持ち出されたということは、当該情報を持ち出した人物はこの情報に価値があると考えていることに他なりません。もし、価値がないのであれば、持ち出す必要は無いからです。
にもかかわらず、秘密管理性や有用性を厳密に判断することにより、不正に情報を持ち出し、さらには持ち出した情報を使用しても、不法行為とはならない可能性が高くなります。

例えば、非公知の技術情報であれば、技術情報ということのみで有用性を認めても良いのではないでしょうか。また、非公知と言うことで秘密管理性も認めてよいのではと思います。
さらに、顧客情報や医療カルテ等、個人情報に類する情報や、取引先の情報等、社会通念上、企業において秘密としていると思われる営業情報も、その秘密管理性を厳しく判断する必要はなく、その情報をもって経済的な有用性も有していると判断されてもよいのではないでしょうか?

一方で、公知となっている情報であれば、そもそも誰でも入手可能な情報であるので、当該情報を持ち出したとしても不法行為とはならないという判断は妥当であると考えます。

とは言っても、営業秘密侵害は民事的責任のみならず、刑事的責任も問われるものであるため、営業秘密の3要件の判断を甘くすると、より多くの人が罪に問われることにもなり得るでしょう。このため、裁判所は営業秘密の3要件をある程度厳密に判断しているのではないかとも思います。


今回の寄稿文によって、技術情報を営業秘密とする場合における、秘密管理性、有用性、非公知性に関する留意すべきことを、私なりにそれぞれまとめることができたと考えています。
しかしながら、3要件に対する裁判所の判断は今後変わってくるかもしれません。それはより厳密に判断するのか、甘く判断するのかは分かりませんが。このため、裁判例のウォッチングは重要な作業かと思います。

また、今年の9月末ぐらいに大阪で営業秘密に関する研修を行う予定です。
この研修は弁理士以外の方も参加可能です。
内容は、昨年の11月に弁理士会で行った研修内容+αです。
研修日が近くなったら、またアナウンスします。
もし最悪、コロナの影響が長引けば、キャンセルになるかもしれませんが・・・。

弁理士による営業秘密関連情報の発信