先日、弁理士会からのメールで「弁理士法改正を含む、不正競争防止法等の一部を改正する法律案が、衆議院
経済産業委員会での審査(5/11)を経て、衆議院本会議での審議(5/15)で
可決されましたので、お知らせいたします。今後は、参議院における審議が
行われる予定です。」との通知がありました。
経済産業省HP:不正競争防止法等の一部を改正する法律案」が閣議決定されました
野党議員によるGWも含んだ18連休となる審議拒否という素晴らしい仕事ぶりにより、改正法案が通るのかという懸念が多少あったものの、結局本国会において改正に至るかと思います。
しかしいいですねぇ、野党先生方は国会議員という権力者であるがために、職場放棄しても何ら責任を取ることなく歳費も全て頂きです。
ところで本改正において不正競争防止法に「ID・パスワード等により管理しつつ相手方を限定して提供するデータを不正に取得、使用又は提供する行為」が新たに不正行為として位置づけられることになります。
これは、所謂ビッグデータ等(限定提供データ)の不正使用を不正競争行為とし、差止請求権等の民事措置を設けるというものです。
この限定提供データとして対象となるデータは、例えば、以下のようなもののようです。
• 自動走行車両向けに提供する三次元地図データ
• POSシステムで収集した商品毎の売上データ
• 化学物質等の素材の技術情報を要約したデータ
• 船主、オペレーター、造船所、機器メーカー等の関連企業がそれぞれ 収集し、共有している船舶運行データ
なお、限定提供データは、新設される不競法2条7項で以下のように定義されます。括弧書きで、「秘密として管理されているものを除く。」とあるように、営業秘密として守れない情報に対する補完的な意味合いもあるものです。
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不正競争防止法2条7項
この法律において「限定提供データ」とは、業として特定の (新設) 者に提供する情報として電磁的方法(電子的方法、磁気的方法 その他人の知覚によっては認識することができない方法をいう 。次項において同じ。)により相当量蓄積され、及び管理され ている技術上又は営業上の情報(秘密として管理されているも のを除く。)をいう。
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また本改正案には、弁理士法の一部改正もあり、弁理士の業務に「データの利活用やJIS等の規格の案の作成に関して知財の観点から支援する業務」も含まれることが明文化されるようです。
これは弁理士としては良いことだと思いますが、果たして今回の法改正で新たに加えられるビッグデータ等に対する保護を、弁理士がどの様にかかわってビジネス化するのか?
弁理士にに対するどのようなニーズが存在するのか?
新たなビジネスモデルを構築できれば良いのですが。