2018年6月14日木曜日

営業秘密侵害事犯の警察窓口

営業秘密の漏えいは刑事事件にもなっており、実際に報道等されているだけでも年に何件も逮捕や書類送検されている人がいます。
事件の中には報道されないものもあるでしょうから、刑事事件化されているものは皆さんが思っているよりも多いかと思います。営業秘密のセミナーでは警察関係者が講演する場合もあるのですが、そこではうる覚えですが年20件前後逮捕者が出ているとの説明もありました。

ここで、経済産業省が発行している「秘密情報の保護ハンドブック」の「参考資料3 各種窓口一覧」には、 営業秘密に関する相談窓口等が記載されています。
このなかには、営業秘密の漏えいが生じた場合における各都道府県警の相談先の一覧も含まれています。
この一覧からわかるように、各都道府県警の相談先は「生活安全」、「生活環境」、「生活経済」といった部署になっているようです。


また、IPAが主催した「平成27年7月14日 第3回技術情報防衛シンポジウム」では、「警察における営業秘密侵害事犯捜査」 と題して警察庁の方が講演をされています。
この講演資料がIPAのホームページで開示されています。警察による営業秘密侵害の捜査に関する資料等はあまりなく、参考になるかと思います。

この講演には私も参加したのですが、平成27年改正において営業秘密侵害が非親告罪になったことを受けて説明されていたことは、非親告罪になったからといって、警察が被害企業の意向を無視して独自に捜査することはないとのことです。
営業秘密侵害事件はその捜査に被害企業の協力が不可欠であり、被害企業が事件化を望んでいないにもかかわらず、警察が勝手に捜査することはできないためです。

まあ、当然ですよね。
非親告罪化については、警察権力が云々とのように否定的な意見を述べる人も少なからずいるので、そういった意見に対応したものだと思います。

弁理士による営業秘密関連情報の発信