営業秘密関連ニュース

2018年11月2日
2018年11月2日

2018年11月1日
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・光ファイバー技術漏出の疑い、元精密部品会社員ら逮捕へ(朝日新聞)


2018年6月18日月曜日

日産 営業秘密流出で取引先の元従業員を書類送検

先日、日産リーフのフルモデルチェンジ車両を発表前に取引会社元社員が日産工場内で検査中の当該車両を写真撮影し、ツィッターに投稿したとして当該社員が書類送検されたとの報道がありました。

発表前の車両そのものが営業秘密であり、これにより日産の業務を妨害したとの判断の様です。具体的には、営業秘密の保有者である日産に損害を加える目的で、管理侵害行為により営業秘密を取得したとして、不正競争防止法21条1項一号違反でしょうか。

しかし、当然良くは無いものの、いわゆる隠し撮りをツィッターにアップすることで、書類送検になるとは少々驚きです。刑事罰が適用されるためには図利加害目的が要件として必要であるため、ツィッターへのアップが「損害を加える目的」に該当するとの判断のように思えますが、果たしてこの元社員はそこまでの意図があったのでしょうか?


また、日産は営業秘密関連での刑事告訴は私の知る限り3件目です。
日産は2014年と2015年に元社員を刑事告訴しています。
このうち、2014年の事件に関しては東京高裁判決で懲役1年、執行猶予3年となっています。

参考:過去の営業秘密流出事件

私の知る限り、営業秘密に関して一社で複数の刑事告訴を行った企業は日産だけであり、さらにそれが3件というのは、いかに日産が営業秘密の流出に厳しい態度を取っているかの表れかと思います。

しかしながら、裏を返すと過去に2件もの刑事告訴を行っている日産に対して、その取引会社の社員が営業秘密の漏えいをさらに行ったということは、いかに営業秘密の漏えい対策が難しいか、また、営業秘密の漏えい行為が犯罪であるかの浸透が不十分であるかの証でもあるかとも思います。

特に今回の事件は、取引先元従業員が隠し撮りによりツィッターにアップしたものであり、サーバーから営業秘密に関するデータを取得したという事例とは異なります。すなわち、取引先元従業員による内部犯行であるもののアクセス管理等により営業秘密の漏えいを検知できるものではありません。
さらに、今回の事件は、取引先元従業員がツィッターにアップしたことから発覚したのですが、もしこれが他社への情報提供を目的としたものであればおそらく発覚しなかったと思われます。

では、どのようにして隠し撮りのような行為による営業秘密の漏えいをを防止するのか?一つは荷物管理等により、携帯電話等を持ち込ませないというものがあるかと思います
。しかしながら、これは自己申告に頼らざる負えず、隠し撮りを実行しようとしている者は見つからないように携帯電話等を持ち込むでしょう。すなわち自己申告による荷物管理は悪意のある者にとっては意味をなさない可能性があります。

そうであるならば、どうするのか?
私はやはり教育により、営業秘密の漏えいが刑事罰もあり得る相当に高いリスクを有するものであることを周知させることが必要かと思います。
従業員に対しては常日頃の社員教育によりそれを徹底させることができるでしょうが、取引先に対してはこのような社員教育を行うことを条件に取引することや、秘密保持義務を課す場合に書面だけのやり取りではなく、簡単でも良いのでリスクの説明を行うべきではないでしょうか。特に今回のような事例はリスク説明としてはインパクトの強い事例になるかと思います。

弁理士による営業秘密関連情報の発信