2017年10月27日金曜日

営業秘密に関する社員教育を重要と考える理由

私はこのブログにおいて営業秘密に関する社員教育の必要性について触れています。
多くの企業において、企業が有する秘密情報の漏洩禁止や取り扱いに関する教育等は行っているようですが、営業秘密に関する法的な知識等の教育は行っていないところも多いようです。

ここで、下記表は営業秘密を不正の目的で開示・使用したとして刑事罰を受けた事件を示したものです。これは、何度か本ブログでも挙げているものです。


また、下記図は、刑事告訴がされたものの、判決には至っていない事件の一部です。



上記表や図を見て皆さんはどう感じるでしょうか?

刑事罰の確定にまで至った事件は、有用性及び非公知性を満たす情報を被害企業が秘密管理していたことで、当該情報が営業秘密として認定され、かつ当該情報に対する従業員等のアクセスログを被害企業が記録していたのでしょう。そうであるから、被害企業は、当該営業秘密の漏洩に気付き、かつ当該営業秘密を漏洩させた犯人を特定できたと考えられます。
すなわち、被害企業は、営業秘密を適切に管理していた企業であり、情報管理を十分に行っていた企業ともいえるかと思います。

しかしながら、「営業秘密管理を適切に行っていたにもかかわらず、なぜ、営業秘密の漏洩を許してしまったのか?」との疑問も浮かびます。
コストや労力を要して営業秘密管理を行ったのにもかかわらず、なぜ、営業秘密が漏洩したのか?そもそも、漏洩させないために、営業秘密の管理を行っていたのではないでしょうか?

その理由は、営業秘密に関する社員教育が十分ではなかったからだと私は考えます。
営業秘密の管理システムは作ったけれども、従業員に対してそのシステムについて十分に説明していなかった、営業秘密に刑事罰があり、実際に懲役刑の判決も出ている、営業秘密の漏洩により得た報酬等は没収されること等を教育していなかったのではないでしょうか?

営業秘密を不正の目的で漏洩させる人たちは、ほぼ100%悪人では無いと思います。
昨日まで、一緒に働いていた同僚、部下、上司であると思います。
そのような人達がなぜ営業秘密を漏洩させて逮捕されるのでしょうか?

その理由は、繰り返しますが、不正の目的による営業秘密の漏洩が犯罪であることを明確に認識していなかったからではないでしょうか?

しかしながら、多くの人が事のことを知らなくてある意味当然だと思います。
営業秘密の漏洩に対して不競法で刑事罰の規定が定められたのは平成15年からです。
つい近年であり、多くの社会人は知らなくて当然です。
しかも、数年毎に法改正があります。

では、従業員に対して、誰が営業秘密の法的知識を教えるのか?
そう、従業員を雇用している企業が行う他ならないと考えます。
営業秘密の管理システムの構築と共に、役員を含む従業員に対して営業秘密に関する教育を行うことによって、営業秘密の漏洩をより確実に防ぐことができると考えます。