<営業秘密関連ニュース>
・旗振れど「産業スパイ天国」日本 事なかれ主義で情報漏洩対策緩く(日本経済新聞)
2025年8月29日
・<台湾>TSMC機密情報 東京エレクトロン「第三者への流出は確認されていない」/台湾(フォーカス台湾)
・<台湾>東京エレク元社員は「自社装置の改善目的」 台湾高検、TSMC機密漏洩で懲役14年求刑(産経新聞)
・<台湾>TSMCへ供給狙い機密取得3人起訴、東エレは組織関与否定(NNA ASIA)
・<台湾>台湾TSMCの「国宝級」2ナノ技術流出で3人をスピード起訴――東京エレクトロンを襲う"3つのショック"、主犯の元社員に懲役14年を求刑(東洋経済ONLINE)
・<台湾>東エレク「組織的関与確認されず」 TSMC機密情報巡る元従業員起訴受け(Reuters)
2025年7月31日木曜日
日本の特許出願件数の推移とソフトバンクのAI特許出願
2025年7月23日水曜日
判例紹介:営業秘密が格納されているサーバーへのアクセスID
ウ 原告においては、競馬レースの結果を従業員全員で入力するため、本件情報1~3等を含むプログラムやデータベースから成る原告のシステムについては、従業員全員がアクセスすることができるようになっているが、原告の競馬新聞や競馬データサービスの根幹をなすため社外秘となっている。また、これらは、原告社内のコンピュータ及びサーバー並びにクラウドに格納され、① 社内 ID 及びパスワードを入力しないとアクセスすることができず、② 退職者がいる場合には、一斉にパスワードが変更されている。(甲83、原審証人B)
本件情報1及び3は、「社外秘」とされて原告社内のコンピュータ等に格納され、業務の必要から従業員全員がアクセスすることができるが、社内 ID 及びパスワードの入力を必要とし、退職者がいる場合には一斉にパスワードが変更されるのであるから、「秘密として管理され」かつ「公然と知られていないもの」(不競法2条6項。秘密管理性、非公然性)に該当する。よって、本件情報1及び3は、原告の営業秘密に該当するというべきである。
2025年7月14日月曜日
AIであるCopilotに、知財戦略カスケードダウンを参考にしてQRコードとCPコードの知財戦略を聞いてみた。
知財戦略カスケードダウンを参考に、2次元コードであるQRコードとCPコードの知財戦略の違いと、QRコードが成功した要因とCPコードが失敗した要因を知財戦略の視点から解説してもらいました。ちなみに、CPコードはQRコードよりも先発の二次元コードです。
参考:知財戦略カスケードダウンによるオープン・クローズ戦略の実例検討
下記のAIの解説で新たに思ったことは、QRコードは特許を活用してQRコードの普及と収益化を両立するためのエコシステムを構築できたけど、CPコードはそのエコシステムを構築できなかったことにあるということ。
📊 QRコードとCPコードの知財戦略の違いと成否の要因分析(知財戦略カスケードダウン視点)
「知財戦略カスケードダウン」は、事業目的に基づいて知財目的・戦略・戦術を階層的に整理する手法です。これを用いて、QRコードとCPコードの知財戦略を比較し、それぞれの成功・失敗要因を分析します。
🧩 知財戦略の構造比較
項目 | QRコード | CPコード |
---|---|---|
事業目的 | 世界的な普及と市場形成 | 偽造防止・高セキュリティ提供 |
知財目的 | 安心して使える環境の整備 | 技術独占による競争優位性 |
知財戦略 | 特許取得+無償開放(オープン) | 特許取得+秘匿化(クローズ) |
知財戦術 | 模倣品排除、読取装置で収益化 | ライセンス契約、技術非公開 |
✅ QRコードが成功した要因(知財戦略の視点)
オープン戦略による普及促進
特許を取得しつつ、基本仕様を無償開放
他社が安心して利用できる環境を整備(クリアランス不要)
標準化による信頼性確保
ISO/JIS規格化により業界標準として定着
収益源の分離と戦略的クローズ
読取装置の差別化技術は秘匿化し、収益化
一部技術はライセンス提供で市場拡大と収益両立
模倣品排除によるブランド維持
特許権を行使して不正利用を排除
他社の利益も考慮した市場設計
他社もQRコード関連製品で収益を得られる環境を構築
❌ CPコードが失敗した要因(知財戦略の視点)
クローズ戦略による普及障壁
技術詳細を秘匿化し、導入企業に限定
標準化されておらず、汎用性が低い
導入企業の理解・信頼が必要
B2Bモデルのため、普及には時間と教育が必要
市場形成において他社の参入障壁が高すぎた
互換性の欠如による孤立化
他社製品との連携が難しく、エコシステムが構築されなかった
知財戦略が事業目的と乖離
技術独占を優先しすぎて市場形成を犠牲にした可能性
🧠 まとめ:成功と失敗の分岐点は「知財の使い方」
QRコードは「普及=価値」と捉え、知財を“守る”だけでなく“広げる”ために活用しました。一方、CPコードは「独占=価値」と捉え、知財を“囲い込む”ことで差別化を図りましたが、市場形成に必要な他社の参入を阻んでしまいました。
つまり、知財戦略は事業目的に忠実であるべき。技術の優劣ではなく、知財の使い方が成功を分けたのです。